華麗なる氷上の危機?フィギュアスケートの未来を本気で考えてみた

こんにちは!株式会社ドゥアイの土居です。
いやー、まだまだ暑いですね。9月に入ったとはいえ、連日35度近い猛暑が続いてて、正直エアコンなしでは生きていけません。でも、こんな暑い中でも、もうすぐフィギュアスケートのシーズンが始まるんですよね。氷の上の世界と、この灼熱の現実とのギャップがすごすぎて、なんだか不思議な感じがします。
実はうちの娘、フィギュアスケートをやってましてね。今年で7級選手になって、中部ブロックから全日本ジュニアを本気で狙ってるんですよ。親バカって言われるかもしれませんけど、毎日必死に練習してる姿を見てると、ついつい応援にも熱が入るわけです。
ただ、最近ちょっと気になることがあるんですよね。それは、フィギュアスケートを始める子供たちが、なんだか減ってきてるんじゃないか?ってことです。
娘が通ってるリンクでも、数年前と比べるとノービス(小学生年代)の選手の数が明らかに減ってる。指導者の先生方も「最近は新しい子が入ってこなくてねぇ」なんてぼやいてたりするわけです。
これって、単なる一過性のものなんですかね?それとも、もっと根深い問題が隠れてるんやろか?
まあ、一人の親として、そしてフィギュアスケートというスポーツを愛する者として、この問題は看過できひんな、と。そこで今回は、フィギュアスケート界が抱える「衰退の可能性」について、ちょっと本気で掘り下げて考えてみたいと思います。
なぜ子供たちは氷上から去っていくのか?3つの大きな壁
じゃあ、なんでこんなことになってるのか。僕なりに色々と調べて、関係者の話も聞いてみたんですけど、どうやらそこには大きく3つの壁があるみたいなんですよね。
高すぎる!経済的な負担という名の壁
まず、なんといってもお金の問題ですわ。フィギュアスケートって、めちゃくちゃお金がかかるスポーツなんですよね。
初心者向けの教室やったら、まあ月謝も数千円から1万5000円くらいで済むかもしれません。でも、本格的に選手を目指すとなると、話は全く変わってきます。
- 個人レッスン代:トップレベルのコーチになると、1時間数万円なんてこともザラです。
- 貸切リンク代:ジャンプの練習とか、曲かけの練習とか、集中してやろうと思ったら、リンクを貸し切るしかない。これも1時間数万円。
- 衣装代:試合用の衣装は、デザインや素材にこだわると1着数十万円。成長期の子供はすぐにサイズが合わなくなるから、そのたびに新調せなあかん。
- スケート靴・ブレード代:これも消耗品。トップ選手になると、数ヶ月で交換することも珍しくない。一式揃えると十数万円はします。
- 遠征費:試合や合宿で全国、いや世界を飛び回るわけですから、その交通費や宿泊費もバカにならん。
これ、全部合わせたら年間で数百万円、トップ選手やとその倍以上かかるなんて話も聞きます。正直、普通のサラリーマン家庭にはかなり厳しい負担ですよね。
昔、織田信成さんが「フィギュアを続けるために私立じゃなくて公立の高校を選んだ」って話をしてましたけど、それくらい経済的な負担は大きいわけです。
「今多くの選手が経済的に厳しい状況におかれています。フィギュアスケートって、すごくお金がかかるんですよね。僕自身も、高校進学の際には、本当は私学の方がフィギュア…」 [2]
野球やサッカーみたいに、用具さえあれば気軽に始められるスポーツと比べると、この初期投資の高さ、そして継続的にかかる費用の大きさは、競技人口を増やす上で大きな障壁になってるんやないかと考えます。
練習したくてもできない!深刻なリンク不足問題
次が、練習環境の問題。つまり、スケートリンクが圧倒的に足りてないっていう問題です。
特に都心部では、通年で営業してるリンクがほんまに少ない。僕が住んでる地域でも、数えるほどしかありません。当然、そこにはたくさんの選手が殺到するわけです。
結果、どうなるか。
- 練習時間が確保できない:一般滑走の時間はもちろん、貸切の時間も奪い合い。早朝や深夜しか練習時間が取れないなんてことも日常茶飯事です。
- 練習の質が低下する:混雑したリンクでは、思い切ったジャンプの練習もできひん。他の選手と接触する危険もあるし、集中力も削がれる。
- 指導者が確保できない:リンクが少ないということは、指導者の数も限られる。優秀なコーチに指導を受けたくても、その機会すら得られない子供たちも多いわけです。
最近では、電気代の高騰で閉鎖に追い込まれるリンクも増えてきてます。羽生結弦選手の練習拠点やったリンクが一時的に営業を中止したっていうニュースは、記憶に新しい人も多いんじゃないでしょうか。
「選手、コーチの練習する場所がなくなれば、海外に比べ、ただでさえ自由に練習できる環境が少ない中で、技術力の向上がより困難に。」 [3]
どんなに才能があっても、練習する場所がなければ、その才能を開花させることはできひん。この深刻なリンク不足問題は、フィギュアスケート界の根幹を揺るがす、非常に大きな問題やと思うんですよね。
勝利至上主義の弊害?燃え尽き症候群とセカンドキャリア問題
そして最後が、子供たちのメンタルの問題です。
フィギュアスケートは、ご存知の通り、非常に過酷な競争社会です。幼い頃から勝つことを求められ、日々の厳しい練習に耐え、試合ではたった一人で氷の上に立って、何千、何万という観客の前で演技を披露する。そのプレッシャーは、僕らが想像する以上のもんやと思います。
特に、最近の女子シングルは、ロシア勢の台頭もあって、4回転ジャンプを飛ばないと勝てない時代になってきてます。10代前半の、まだ身体も出来上がってないうちから、高難度のジャンプに挑戦し続ける。その結果、怪我に苦しんだり、心身ともに疲弊して、いわゆる「燃え尽き症候群」になってしまう選手も少なくないようです。
また、引退後のセカンドキャリアの問題も深刻です。ほんの一握りのトップ選手はプロスケーターとして活躍したり、解説者になったりできますけど、多くの選手はそうはいきません。競技に打ち込んできた分、学業がおろそかになってしまったり、社会経験が乏しかったりして、引退後の人生に不安を抱えるケースも多いと聞きます。
こういう厳しい現実を目の当たりにすると、「自分の子供に、そこまでしてフィギュアスケートを続けさせるべきなんやろか?」って、二の足を踏んでしまう親御さんの気持ちも、正直分からんでもないわけです。
スポーツである以上、競争はつきものです。でも、勝利だけが全てじゃない。子供たちがスケートを純粋に楽しんで、その経験を将来の人生に活かせるような、そんな環境を作っていくことも、これからのフィギュアスケート界には求められてるんやないでしょうか。
このままじゃアカン!未来のために、今できること
ここまで、フィギュアスケート界が抱える問題点について、色々と偉そうに語ってきました。まあ、一人の親としての個人的な意見もだいぶ入ってますけど、あながち的外れなことばかりでもないと思うんですよね。
じゃあ、このまま指をくわえて見てるだけでええんか?いや、そんなわけない。この素晴らしいスポーツの未来のために、僕らにも何かできることがあるはずです。
1. 官民連携でのリンク増設と維持管理
まず、根本的な問題であるリンク不足を解消せなあきません。これはもう、個人の努力だけではどうにもならん。国や自治体が本腰を入れて、官民連携でリンクの増設や維持管理に取り組む必要があると考えます。
例えば、廃校になった学校の体育館を改修してリンクにするとか、企業のネーミングライツを導入して運営費を賄うとか、やり方はいろいろあるはずです。電気代高騰の問題に対しては、太陽光発電などの再生可能エネルギーを活用した「エコなリンク」を増やすっていうのも、一つの手やと思います。
「CO2排出量8トン削減?氷を使わないエコなスケートリンクが登場」 [4]
とにかく、子供たちがいつでも安心して練習できる環境を整えること。これが、全ての始まりやと思うんです。
2. 多様な才能を発掘・育成するシステムの構築
次に、選手の育成システムも見直す必要があるかもしれません。今のままやと、どうしても経済的に恵まれた家庭の子供しか、トップを目指すことが難しい。これでは、せっかくの才能が埋もれてしまうことにもなりかねません。
例えば、有望な選手に対しては、用具の提供や遠征費の補助を手厚くするとか、JOC(日本オリンピック委員会)が運営する「エリートアカデミー」のような形で、才能ある子供たちを集めて集中的に育成するようなプログラムがあってもええんやないでしょうか。
また、指導者の育成も重要です。技術指導はもちろん、子供たちのメンタルケアや、引退後のキャリア設計までサポートできるような、総合的な知識を持った指導者を増やしていく必要があります。
3. スケートの「楽しさ」を伝える普及活動
そして何より大事なのが、もっと多くの人に、フィギュアスケートの「楽しさ」を知ってもらうことやと思います。
テレビで見る華やかな試合だけが、フィギュアスケートの全てやない。自分で氷の上を滑る楽しさ、新しい技ができた時の達成感、仲間と一緒に練習する喜び。そういう、スポーツとしての純粋な魅力を、もっと多くの子供たちに伝えていく必要があると思うんです。
例えば、トップ選手が全国のリンクを回ってスケート教室を開いたり、学校の授業でスケートを取り入れたり、もっと気軽にスケートに触れられる機会を増やしていく。そういう地道な活動が、未来の競技人口の増加に繋がっていくんやないでしょうか。
僕らファンも、ただ試合を見て一喜一憂するだけやなくて、もっと積極的にリンクに足を運んで、地元の選手を応援したり、SNSでスケートの魅力を発信したり、できることはたくさんあるはずです。
おわりに:一人の親として、そしてファンとして
今回は、フィギュアスケート界の未来について、ちょっと真面目に語らせてもらいました。
まあ、色々と厳しいことを書きましたけど、僕自身、フィギュアスケートというスポーツが大好きやし、その未来が明るいものであってほしいと心から願っています。
娘が全日本ジュニアに出場するっていう夢を叶えるまで、そして、その先もずっと、僕はこのスポーツを応援し続けたい。そのためにも、今、僕らに何ができるのか。一人の親として、そして一人のファンとして、これからも考え続けていきたいと思う次第です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
参考文献
[1] 日本のフィギュアスケート競技人口 – flip-flop WORLD. (n.d.).
[2] フィギュアを続けるため公立高単願受験…織田信成が明かした経済 …
[3] 日本フィギュア界が抱えるリンク減少問題 競技人生で4つ本拠地を
[4] CO2排出量8トン削減?氷を使わないエコなスケートリンクが登場